ロイター通信は15日、中国の石油輸入業者が8月に入り、米国産原油の輸入を中断していると報じた。中国政府による米国産原油への制裁関税発動が不可避とみているためだ。同通信を引用し米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

 トムソン・ロイターEikon(アイコン)のデータによると、8月に入り米国から中国に向かったオイルタンカーはゼロだった。6月、7月、中国は米国から1日30万ガロンの原油を輸入していた。中国政府がこのほど発表した160億ドル相当の対米制裁関税リストに原油は含まれていなかった。

 中国の石油輸入業者は、今後の対米交渉で中国が石油を切り札にする可能性が高いとみている。業者は中東、西アフリカ、中南米産原油を米国産の代わりにする方針だ。中東、西アフリカ、ロシアはこれまでも中国にとって最大の供給元。しかし、米国は2016年に石油輸出を解禁後、世界的に重要な供給国となっている。