米中貿易戦争は7月時点では中国の輸出に影響しなかったが、株価は急落、人民元の対ドル相場も値下がりが続いている。米中の金利動向や中国経済の減速など、人民元相場を押し下げる圧力が続いているため、中国当局は人民元の急激な値下がり阻止のため、対策に着手した。資本流出による金融危機を回避する狙いがある。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が7日伝えた。

 人民元の対ドル相場は今年2月以降、8%低下した。人民元安は、米中貿易戦争で落ち込みが予想される輸出を促す効果があるが、中国人民銀行は急激な人民元の値下がりは望んでいないもようだ。同銀はこのほど、市中銀行に預け入れを義務付ける「外貨リスク準備金」要件を0から20%に引き上げた。投機的な外国為替取り引きを防ぐためとみられる。

 専門家の予測では中国の7月の外貨準備高は3兆1000億ドルで、130億ドル減少したとみられる。外貨準備高がさらに減少すれば、人民銀は一層の人民元安阻止に乗り出す可能性が高い。