台湾中央社によると、米太平洋艦隊は7日、米海軍艦艇2隻が7~8日、台湾海峡を航行したと発表した。米海軍の艦艇が同海峡を航行するのは11年ぶり。台湾の専門家は、台湾海峡周辺で演習を繰り返す中国に対し、一方的な現状変更を認めないとの政治的意思表示だとの見方を示した。

 台湾国防部も、米海軍のミサイル駆逐艦マスティンとベンフォールドが、台湾南部の海域から台湾海峡に入り北東方向に航行したと発表した。

 台湾周辺の海域で最近、中国軍が演習を繰り返している。淡江大国際事務・戦略研究所の黄介正副教授は「西太平洋での軍事的優位を維持することへの決意を示した。武力による威嚇を受け付けないとの台湾の決意を支持する動きでもある」と述べた。

 政治大国際事務学院の丁樹範名誉教授は「地域の安全を重視する米国の姿勢を示すとともに、中国政府による一方的な現状変更を認めないとの政治的意思表示だ」と述べた。